一つの認識描像

はげるのはブラックホールのせい!?今すぐ重力波シールドわかめを食べてふさふさの髪を実現!!

註: 必ず最後まで読んでください。

 

年を重ねて毛量が気になるあなた、将来はげるのではと心配しているあなた。もう大丈夫です。人がはげる、本当の原因が判明しました。

年を重ねるごとに毛根の細胞が劣化していき、髪の毛を生み出している「幹細胞」という細胞が表皮への細胞と姿を変えてしまうことによって毛が生えてこなくなります。しかし、なぜ毛根の細胞が、表皮細胞へと姿を変えてしまうのでしょうか。この謎を解き明かすためには、ブラックホールの話をする必要があります。

ブラックホールとは、太陽よりももっと重たい恒星(自分で光を放つ星)が寿命を迎えることで変化する、星の成れの果ての姿です。このブラックホールアインシュタインが作り上げた一般相対性理論によってその存在が予言され、2019年にそれが撮影されたというニュースが話題になりました。一見、ブラックホールと頭皮は何の関係もなさそうに見えますが、実は理論物理学の研究により「ブラックホール脱毛定理」という定理が発見されたのです!ブラックホールが脱毛するだけなら別に我々には関係のないことですが、ブラックホール重力波と呼ばれる波動を放出しています。これは非常に透過性の良い波動で、どんなものでも遮蔽することができずに我々に到達してしまいます。つまり、ブラックホールが作り出した重力波に常に我々は曝されているということになるのです。これによって脱毛定理の影響が我々にも届き、髪の毛を生み出す幹細胞が表皮の細胞になってしまうのです!

この厄介なブラックホール重力波ですが、実はその影響を打ち消しあうことができます。そのカギは「わかめ」。わかめの持つ固有波動は重力波の波と逆の性質を持っており、ブラックホールからの影響を相殺してくれます。古来より、わかめが髪に良いというのは実はこれが原因なのですね。頭皮をブラックホール重力波の影響から守るために、ぜひわかめを食べて髪の健康寿命を延ばしましょう!

 

 

解説:

 はい、嘘です。いや、ところどころ本当です。今回は、疑似科学を作成してみました。なかなか楽しいですが、やはり世に出回っている物ほどのギャグセンスは無いですかね(-_-;)

基本的に疑似科学というのは、「科学的な真実を交えた嘘」です。これだけだと百害あって一利なしですが、そこにギャグセンスが加わると笑いが起きる(コロナ花崗岩とかタキオンシールドとか)ので、笑うことによって科学の知見がある人は健康になれます。

ほんとの事:

まず、ブラックホール脱毛定理(または無毛定理)は本当にあります。これは、ある物体がブラックホールになるとき、その「個性」が失われるというもので、それを毛が抜けると表現しています。「個性」というのは、例えば質量とか、電荷とかいう物質の状態を特徴づけるもので、ブラックホールになるとたったの3つになってしまうのです(その3つは質量、電荷、回転の度合い(角運動量)で、これらが等しいブラックホールは互いに区別できないとされます)。重力波は、ブラックホールのみならず質量を持った物質が動けば発生するものです。これは空間を伝播するため、いかなる物質でも遮蔽することはできません。また、幹細胞が表皮細胞になるというのも科学誌Scienceに記載されています。

 

うそ:

上記以外はほぼ嘘です。わかめが髪に良いのかすら定かではないです。髪を増やそうと思うと普通にタンパク質や亜鉛、ビタミン、ミネラルをとって塩分、脂肪を控え、規則正しい生活を試みるのが良いと思われます。大豆イソフラボンが良いという話があるので、健康のためにも納豆を食べてみてはいかがでしょうか。また、「波動」という言葉には要注意です。特に、物理学で量子力学というのが「波動関数」という関数を用いて記述されるのですが、これとスピリチュアル系の「波動」は全く異なるものです。第一、波動関数は物体に関する情報が詰まった単なる数学的道具なので現実に存在しませんし、観測されてもいません(現時点では。もちろん、今後どうなるかはわかりません)。なので、わかめの波動というのは真っ赤なウソなわけです。

 

疑似科学を量産して、新たな疑似科学が生まれないように先手を打っていこうと思います。