一つの認識描像

ツンデレの最も簡単な数学的モデル

まず最初に、お断りを入れておきます。
ツンデレは、本来は最初はツンだった子がだんだんとデレていくという動的な概念です。しかし、現在広くツンデレという言葉が意味するところは、自分の気持ちに素直になれなくて照れ隠しで嬉しいのに全然嬉しくはないと言ったり、"仕方なく"好意を受けたり返したりするといったキャラであるように思われます。そこで、後者のようなツンデレを以下では議論することにします。なお、この記事の著者にとってのツンデレといえば「きんいろモザイク」の小路綾というキャラクターなので、もしかすると皆さんのイメージと異なる数理モデルとなる恐れがあります。ご了承下さい。

いろいろと言いましたが、所詮素人のすることなので議論は単純です。まず、ツンデレにおいて何を変数として扱うかですが、実は様々なパラメタがあります。しかし、まず単純なアイデアとしては、心の中にあるデレ度である"内的デレ度(degree of internal dere)"$D_{i}$が発生した時、それが"ツン化関数(tsunizer)"$T$の影響を受けて結果が言動として出力されるという流れです。つまり、$D_{i}$が高くても、$T(D_{i})$が低かったり、むしろマイナスだったりすると、ツン的言動が出力されるということです。ここで、$D_{i}$も$T(D_{i})$も、正ならデレ、負ならツンとなるように考えます。この下で、以下のような概念を定義できます:
主体Aのツン化関数を$T_{A}$とする。
Def: 完全に素直(completely honest)
主体Aが完全に素直であるとは、$T_{A}(D_{i})=D_{i}$であることを言う。
Def: 完全にツンデレ(completely tsundere)
主体Aが完全にツンデレであるとは、$T_{A}(D_{i})=-D_{i}$であることを言う。

完全にツンデレとまでなると、かなり病的な感じがしますが、まあ極端な概念ということで。行為を受けて照れが大きくなると、その分照れ隠しの行動が大きくなるというのはある程度までは理解できますが、しかし多くのツンデレはいつでも天邪鬼なのではなく、時には素直になったりするので、この中間的な概念が欲しくなります。
そこで、最も単純なモデルとして、$T(D_{i})=D_{i}\cos\theta$というものを考えます。ただし、$\theta\in [0,\pi]$で、これは様々なパラメタの関数となっています。もちろん、$\theta$は$D_{i}$にも依存しますし、他にもその時の状況や心の状態などにも依存するはずです。ちなみに、完全に素直なら常に$\theta=0$, 完全にツンデレなら$\theta=\pi$として実現できます。揺れ動く乙女心(三角関数)。

あとは、各主体に応じて$\theta$の中身を決定することで、ツンデレ的言動のモデルとすることが出来ます。例えば、照れ隠しとしてツン化する場合は単純に考えれば$D_{i}$が大きいほど$\theta$も大きくなりますが、ある程度$D_{i}$が大きくなると素直に好意を伝えたいと思う気持ちが強くなって$\theta$は逆に小さくなるかもしれません。本人に素直になりたいという意志があるなら、例えば2人きりのときなど、状況によっては$\theta$は小さくなるはずです。このような考察を行うことで具体的なパラメタと、パラメタ依存性を決定します。以上、簡単なツンデレ数理モデルでした。いやまあそんなことはどうでもいいんだ、みんなきんモザ原作読んで(ダイマ)。