人と一定の距離を保つことが、自分の行動範囲を制限する。なんか、これに似た統計学的な議論があったような気がしたので、それと照らし合わせながら説明してみます。
ほんとに一度聞いたくらいなのですが、排除体積相互作用というのが今回のお話の元ネタです。まず、ある体積の空間内に大きさを持った粒子がたくさんいて、その粒子は変形しないものと仮定します。そして、その粒子をかなりぎゅうぎゅうに敷き詰めます。ここでエントロピーの登場。エントロピーは統計力学的には状態数の増加関数なので、各粒子がなるべく多いパターンの位置配置を取れるように動きます。今回仮定している状況だと、粒子はかなり詰まっているので、それぞれの粒子がバラバラランダムに動いて邪魔し合うよりも、それぞれの粒子が動ける空間を分かち合って、その中でランダムに動いていたほうが状態数が稼げます。つまり、ひとりでに規則正しく並んでいくのです。
それで、ソーシャルディスタンス。もし、人間とそのソーシャルディスタンスの領域を大きさのある粒子と仮定すると、より空間を動き回るためにはある空間に閉じこもっていたほうがいいことになります。それって外出自粛だな、と思っただけです。