一つの認識描像

理不尽な世界でも老後に備えたい!

どんなにお金を稼いでも地位を高めても,それで死へ向かう苦しみから逃れることはできない.程度の差こそあれ,老いの苦しみを避けることは難しいだろう.私はまだ20代前半だが,若さなどあっという間に失われゆく.時間が経てば経つほど体の自由が利かなくなり,認知機能も免疫力も低下し,慢性的な苦痛は増えていくだろう.

どうしてこの世界は苦痛に満ちているのか.なぜ私はそんな世界に居なければならないのか.これに特別な理由はない.ただ,不運なのである.簡単な安楽で苦痛から目を背けてはならない.苦痛は世界の本質であり,現実は絶望的だ.しかし悲観することはない.不運さえ打破してしまえばいい.

苦痛も不快も,その意味を失うことができる.これらに打ち勝ち,自己存在の本質には関与しないと理解する事ができる.土着の感情はそれ自体で意味の端点となりうるが,非自明な感情様認識を概念認識の力を用いて創造し,これを以て優越することができる.現実認識は繰り返しによってその性質を変容していく.不可能はない.

これこそ真の老後の備えなのだろう.