一つの認識描像

マイナス1000度の世界を想像せよ!!絶対零度を無視するとこうなる。

いでよ、状態方程式

 

f:id:watarikui:20200503185152p:plain「どうもです」

 

皆さんは絶対零度を御存知でしょうか。ご存知ですよね。もともとはシャルルの法則において、体積が0となる温度として定義されました。今では、物質の熱運動がこれ以上小さくなれないところまで小さくなったときの温度として解釈されています。ちなみに、現在の絶対温度の定義は水の三重点を273.16Kとして基準としています。今回はタイトル通り、この状態方程式に負の値を代入するとどうなってしまうのかを考えてみたいと思います。この際、零点エネルギーなどの量子力学的な議論は無視します。

では、Tにマイナスの値を代入します。

f:id:watarikui:20200503185152p:plain「やめてくれえ!!」

 

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>     T<0      <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

f:id:watarikui:20200503185152p:plain「うわああああああああああ」

 

絶対温度が負の値を取る場合、数字上では粒子数、圧力、体積のどれか一つ、または圧力か体積と粒子数、または3つのパラメータ全てに負の値を代入する必要があります。今回は、いずれか一つが負になった場合を考えます。

 

①粒子数がマイナスの場合

この時点でナンセンスですが、そこは想像力で補いましょう。粒子数がマイナスということは、新しく粒子を追加することによってこの系が真空に近づいていくということです。うーん。反物質でしょうか。いや、少し違う気がする。物質と反物質は衝突するとエネルギーを放出して消えていきますが、反物質だけの系は考えることができます。実際、反物質は作られていますしね。エネルギーの面から見ても完全に打ち消し合う存在とすると、静止エネルギーがマイナスの存在を思い浮かべる必要がありそうですが...。タキオンかぁ・・・。時間を逆走する粒子系だと、どうにかなりそうですね()。

 

②体積がマイナスの場合

 さっきと同じ戦法でいきましょう。体積がマイナスということは、この系が膨張すれば体積0に近づくということです。これは・・・。これはやばい。どうしようか。そもそも体積が増えるということは、粒子間の距離が大きくなるということだから・・・。えっとー。長さが負。いや、ちょっとこれはだめですね。無理やりでも無理そうです。

 

③圧力がマイナスの場合

圧力がマイナスということは、真空にこの系をおいてもなお収縮し続けるといった感じです。結果的にはブラックホールになりそうですが、つまりはこの系を成す粒子に反発する要素がないということなのでしょうか。電子一つと、陽電子一つからなる熱力学系はたしかにいかなる状況でも収縮しそうですが。これはこれでなんか違う気がする。例えば圧力一定のもとで体積を増加させた場合に外に負の仕事をする。つまり膨張させるには仕事をする必要がある。そして、真空中においてもなおそうである。自由膨張は決して起こらない。ジュールの法則が破れる。まあ、熱力学が壊れるのはそりゃそうなんですが、今の問題はちょっと違う。自分が引っかかっているのは、絶対温度が負というありえない状況に付随する、圧力が負というありえない状況が、互いに引力のみで相互作用する粒子からなる系で記述されうる感じがするという部分です。なんだかパラドックスに引っかかった感じがします。ここは要考察ですね。

 

追記:粒子間に引力が働く場合は、van der WaalsのEOSを使うべきでした。実際、ある温度条件のもとで、p-v図の圧力がマイナスになっていることが確認できます。

 

結論:

f:id:watarikui:20200503185152p:plain「定義守れ。」