一つの認識描像

灰色の泡から!!

灰色の泡からスタートして,さて何を見ようか.ぼんやりと揺蕩う.これは普通の日常の,向こうの景色を見たいときの記録.

泡ではあるが灰色だから,はてさて何でできているのか.その形は何か?泡と言ったら思い浮かべるのは球体.でもここはいつも見慣れた世界と違う.だからもっといろんな形の泡かも.もしくは,概念の泡かもしれないね.

灰色の泡はドーナツのように集まって,中心に空洞を発生させた.それは窓になる.そこから見えるのは白い揺らぎで,しばらく立ち止まろう.・・・.あ.どうやらこの泡とか窓とか全然関係ない方向に,青い透き通った結晶があるようだ.これはどこからか成長してきている.しかし,その始発点は無い.その方向を向くことはできないのだ.

結晶について詳しく見えないかわりに,もうちょっと奥の方に青と緑の鮮やかな,弧の連なりのようなものが見える.その下の半円の空間には,ぼやけた暗い灰色があって,左奥の白い光を強調する.影が光を生むこともあるが,今回の場合はどうやら違うようだ.それは,ふとそのぼやけが失われたときにツヤツヤと真っ黒になったから分かった.つまり,不明瞭という概念が光を産んでいたのだ.

そんなこんなで流出して,黒い帯はゼンマイのように巻いていく.それはキツく巻かれると言うよりは,もっとふわっと巻かれていて,各層に隙間が開いている.そこには自分の内側と外側が向き合う部分があるわけで,この認識が合わさって種ができるみたいだ.巻かれた帯の内側から,黒い種が影のように現れる.どうやらこれは影なので,そしてこれはなんの影かと言うと・・・.

あぁ,黒い帯はその思い出に縋りたくなったみたいだ.彼は自分が直線的であった記憶を植え付けられ,そこに強く戻りたくなったらしい.これが自分の記憶なのかはどうだっていい.気づいたころにはクルクルは解消され,種は消え去る.でも,種はあったよね?でも,種は無くなった.いや,この記憶は本当か・・・?もしかしたら,私の認識も黒い帯と同様,今まさに改変されたのかもしれない.そう,種はこうやって,自分自身の存在の確度が低い方向に飛ばされる.そしてその概念方向の空間において芽吹くのである.