一つの認識描像

甘白い風は遠くへ行く

白い風は速く,ひゅごーひゅごーと急いでゆく.

白い風は甘く,触れるものに砂糖の溶けたような甘味をへばりつける.

りみゅてーにさん,どうか道をお開けください.

あらあら急いでいるのね,私も今は,甘みはいらないわ.

りみゅてーにさんは道を開けてくれました.どうもありがとう.

てっかーとさん,どうか道をお開けくださいますか.

おや,急いで何処行くんだい.俺は甘いのは結構だからね.

てっかーとさんも道を開けてくれました.すみませんね.

きびしゅーさむさん,どうか道を開けていただけないでしょうか.

わあ,君がそんなに急ぐなんて.僕は戯曲を諧謔に脅かされたくないのでね.

きびしゅーさむさんも道を開けてくれました.すみませんすみません.

べってんこみさん,どうか道をお開け願います.

ほお,君は真ん中のいちごのケーキの処に行くんだね.私は存在しないもんだから.

べってんこみさんも道を開けてくれました.不可能な感謝を.

白い風はようやく,真ん中にあるいちごのケーキにたどり着きました.

いちごのケーキさん,どうして僕が来る前からあなたは甘みを持つのですか?

それはそうよ.あなたは私から出てきたんですもの.