ﾂｸﾂｸﾎﾞｳｼﾂｸﾂｸﾎﾞｳｼﾂｸﾂｸﾎﾞｳｼﾂｸﾂｸﾎﾞｳｼﾂｸﾂｸﾌｨﾖｰｲﾌｨﾖｰｲﾌｨﾖｰｲﾌｨﾖｰｲﾌｨﾖｰｲﾌｨﾖｲ"ｲ"ｲ"ｲ"ｲ"ｲ"ｲ"
ああ、今年も美しいツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきました。ツクツクボウシの鳴き声を聞くとそれを本能的に真似したくなるというのは有名な人間の性質ですが、正しいツクツクボウシの鳴き真似ができる人は日本にもそう多くはいません。実際のところ、本人や周囲の人が楽しめるならそれで構わないのですが、やはり上を目指したいという方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、ツクツクボウシの鳴き真似上達の方法について詳しく見ていきます。以下では、最初のﾂｸﾂｸ、次のﾎﾞｳｼ、最後のﾌｨﾖｰｲパートに分けて、発音のコツと心構えを説明していきたいと思います。
1. 魂のﾂｸﾂｸ
まずはﾂｸﾂｸからです。実は、ﾂｸﾂｸを日本語の「つくつく」と同じ発音で発してはなりません。正しい発音は、[ts k ts k]となります。母音を発音しないのですね。「つ」はcatsの"ts"の部分、「く」はuniqueの最後の"que"の部分と考えると分かりやすいです。まずは、このﾂｸﾂｸを完璧に発音できるように頑張りましょう。心構えとしては、やはり自分の存在をこの世界の中に主張する第一声であるという自覚をもって、魂を込めて発音しましょう。一回一回魂を込めて練習しなければ真のツクツキストにはなれません。野球の素振りと同じ理論です。一秒間に2ﾂｸﾂｸできればかなり良いと言えるでしょう。
2. 貫禄のﾎﾞｳｼ
次にﾎﾞｳｼです。しかし、これも日本語の「ボウシ」の発音とは異なります。正しい発音は、[hwoushi]です。ボウシというよりホウシのほうが近いですね。最初の音はwhatの"wh"部分の発音です。この時には空気を吸い込むような音を作りましょう。カービィの吸い込み音のようなイメージです。そして、乾いた音を維持してouを発音しましょう。普通のouではなく、小声のouです。そして、最後はshi。ここで口の中の空気を勢いよく外に押し出しましょう。これを、あなたが自信を持てるようになるまで練習しましょう。ﾎﾞｳｼ部分は、ﾂｸﾂｸの後押しを受けて自分を誇示する堂々たる貫禄が必要となります。自信満々に発音できるようになれば、自ずとツクツクボウシの威厳があなたにも備わるでしょう。
3. 感動のﾌｨﾖｰｲ
さあ、ついに最後のパートです。まずは入りから説明します。ﾂｸﾂｸﾎﾞｳｼループを抜けてﾌｨﾖｰｲループに入るタイミングは個人差がありますが、おすすめはﾂｸﾂｸの後です。なぜなら、ﾂｸﾂｸの後にはwhを発音するために乾いた音を出す準備が整っており、同じ乾いた音であるﾌｨにつなげやすいからです。次にﾌｨﾖｰｲループの抜け方ですが、これも個人によるところが多いと思います。自分はよく5ﾌｨﾖｰｲで抜けていますが、ここはあなたの魂と相談してください。それでは発音の解説ですが、[whe yoo hwi]と発音しましょう。最初はwheelの"whee"の部分、次はyogultの"yo"の部分、最後はwhistleの"whi"の部分です。全て小声で発音するときのような乾いた音で発音してください。そして、ﾌｨﾖｰｲループを抜けた先にある長いイ～ですが、どちらかというと小声のヒの発音に近いです。そして、デクレッシェンドを忘れないようにしましょう。最後はフェードアウトして、切なく終わるのです。聡明な読者ならもうお気づきかもしれませんが、ツクツクボウシの鳴き声は生き物の一生を表していることが分かります。そう、我々がこの身を削りﾂｸﾂｸに勤しむのは、自らの一生に対する熱意と、儚さと、美しさを体現するためなのです。このことが分かれば、あなたがどこでﾌｨﾖｰｲループを抜け、どの程度で減衰し、どのように終えるのかは自ずと見えてきます。ツクツクボウシの鳴き声は人生そのものであり、そして我々に生命が根源的に求める神秘的な感動を与えるのです。
