一つの認識描像

太陽の近くを周る人工衛星がもうすぐ飛び上がる!太陽風の原因解明に期待

The European space Agencyは太陽の周囲を回る衛星をフロリダのケープカナベラルから打ち上げる予定です。
NASAと共同開発されたこの衛星は、太陽の風や磁場に関するまだ見ぬ知見を我々に与えてくれるであろうと期待されています。また、太陽の極に当たる領域の画像を初めて撮影する予定もあります。

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今回打ち上げる予定の人工衛星のイメージ。(from: https://phys.org/news/2020-02-solar-orbiter-reveal-sun-secrets.html



金星と水星の近くを飛行して時速245,000kmにまで加速したあと、太陽の表面から約6800万km離れた軌道に落ち着きます。
衛星には10個の最先端の機器が搭載されています。科学者らは、太陽を観測して太陽風やフレアの引き金となるものに関する手がかりが得られることを期待しています。
ミッションディレクターのAnne Pacros氏は、この実験は太陽が太陽圏を作り出しコントロールする仕組みを理解するためのものデアあると言います。
太陽風では何十億もの荷電粒子が放出され、地球含む太陽系内の惑星に影響を及ぼします。この現象は何十年にも渡る研究がなされてきたにも関わらずほとんど分かっていません。
太陽風は遅かったり速かったりするのですが、何がこの多様性を生み出しているのかは分かっていません。変化するのは一つの風なのか、はたまた複数の風なのかも分かりません。これらは、我々が解き明かそうとしている謎の一部です。」とFrance's Institute of Space AstrophysicsのMiho Janvier氏は言います。
太陽風によって運ばれた荷電粒子は地球の磁気に衝突して、高高度にオーロラが発生します。しかし、Paris-based Plasma Physics Laboratoryの研究者であるMatthieu Berthomier氏は太陽風の影響はそれだけではないと言います。
太陽風は我々の電磁気環境を阻害します。これは宇宙天気と呼ばれているもので、人類の日常生活にも影響を及ぼしうるものです。」
太陽風はレーダーシステムや無線ネットワークを混乱させたり、人工衛星に障害を引き起こしたりする可能性もあります。しかし、このような極端に強いものは稀であるそうです。
現代社会は宇宙で何が起こるかにより左右されるようになっているので、太陽の活動の影響をより受けやすくなっていると言えます。」とCNRS observatoryの研究者であるEtienne Pariat氏は言います。Berthomier氏がこれに加えます。
「現在ある人工衛星のうちの半分が破壊された場面を想像してみてください。これは人類に壊滅的な被害を与えます。」
太陽に近い位置を周る衛星は、地球での13倍の強さの日光をうけることになります。しかし、衛星の高温対策は万全です。セ氏500度にまで耐える耐熱性を持ち、太陽大気での爆発で放出される粒子などからも内部機器を守ることができるように設計されています。
このミッションは、日曜日の現地時間23:00にケネディ宇宙センターから打ち上げられる予定であり、約15億ユーロの費用で最大9年間続く予定です。

 

 

ちょこっと英単語:

unprecedented 前例のない 科学者はまだ見ぬ世界を追い求める生き物だ

heliosphere 太陽圏 プラズマだの何だので、人が行こうものならひとたまりもない

 

 

 

 


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