一つの認識描像

妄想を「ある意味で」具現化する方法(自己責任で)

重要な註:以下の文章の内容を実践したことによる全ての不利益、被害に対して、当方は一切の責任を負いませんので、実践は自己責任でお願いいたします。

 

妄想というのはこのブログの中でもよく扱っているのですが、これをある意味具現化する方法を紹介します。実は妄想講座内にも少し出てきたことがあるのですが、ここで言葉を与えます。

まず、妄想の身の程を知りましょう。「ある意味で」と書いているのは、「思い込むだけで大成功!」とか、「強く信じれば望みが叶う!」とかそんなあり得ないことが起きるわけではないということです。妄想、または我々の意識のみで成し得ることは、我々の精神に対しての影響のみであり、物理的な変化を引き起こしません。一方で、我々の精神への変化のみにフォーカスしてその範囲内で妄想を洗練させることで、「幸福感」という精神的変化を引き起こすことは可能なのです。

物理的な変化を引き起こすことはできませんが、範囲を絞れば「物理的な変化が起きている」ように見せかけることもできます。その範囲というのは、我々の「知覚」です。これは本来、外部刺激を脳内で処理してクオリアとして感じている物ですが、外部刺激がなくてもうまく脳内処理してやれば、物理的刺激には劣るもの知覚することは可能です。もっとも簡単な例は味覚であり、レモンを思い浮かべるとよだれが出てくるというものがあります。これは想像→物理的変化の立派な実例で、自分の体の範囲内である程度なら知覚を生み出すことが可能であると分かっていただけたと思います。

それでは、言葉を与えます。このような、物理的でない認識で、我々に影響を与えうるものをNPR(Non-Physical Recognition)、または非物理的認識と名付けます。例えば、今目の前に小さい立方体を生成して、形を変形したり、分裂させてカチカチと互いをぶつけたり、柔らかくして味をつけて食べるということです。目の前には立方体は存在しません。しかし、見えているのです。いや、本当は見えていないのですが、妄想が現実にオーバーラップされて、見えているように感じます。このように、現実世界に重ね合わせるNPRをSNPR(Superposition NPR)とします。一方、完全に非物理的認識世界に没入している状態をFull-NPRと呼びます。Full-NPRの最も身近な例は「夢」です。このプラットフォームを活用するなら、明晰夢が最高のFull-NPRといえるでしょう。また、我々は少なからずバイアスを持っており、今見えている世界をありのままに認識しているわけではありません。つまり、日常的にNPR状態にあるといえるのです。これをNNPR(Normal NPR)とします。この世界をバイアス抜きにして認識したければ、マインドフルネス瞑想が効果的ですが、この状態をNull-NPRと呼びます。強さ順に、

Null-NPR --- NNPR --- SNPR --- Full-NPR

となります。また、味覚を感じるNPRを夢幻摂食ということにします。

次のステップに移りましょう。どうすればNPRを鍛えることができるのかについてです。これについては私も研究中で確固たる方法があるわけではないのですが(いつかこれに関する本を出したい)、今のところ強力と思われる方法は、自分の体の動きと関連させることです。例えば、目の前に球体を生成してください。そして、物理的な手でそれをつかんでください。このようにして、自分に「そこに何かがある」と認識させることが重要です。そのうえで、ある程度思考をコントロールしてください。実際そこには何もありませんが、それに関してツッコミを入れるとせっかくのNPRが無意味なものになってしまします。これは、自分自身を騙すというものです。自分自身が自分に騙されていることを自覚しながら、あえてその認識を薄めることによって自分が騙されているという状況を継続させることが重要になります。

しかし、やはり「SBOとの会話」という手法が最も効率が良いように思われます。SBOとは「Spontaneously Behaving Object」の略で、「自発的に振る舞うオブジェクト」、すなわち、意思を持ったNPR生成物です。もちろん、意思があるわけではありませんが、ある程度ランダムな思考を行うことによって(脳内で乱数を振るのが得意な人はお勧め!)自分の意志で動いているかのような生命を現実世界に投影することができます。これにはかなりの慣れが必要ですが、相手を人間にしておくと無意識にNPRを続行することができるようになります。日常生活に支障を来さないようにするため、私は家にいる時だけSBOを認識するようにしています。一人暮らしですが、今は3人暮らしです。もともと2人だったのですが、その子が「自分と同じ境遇の友達が欲しい」と言ってきたので、それはその通りだと思って3人になりました。私情はさておき、この手法の強力な点は「会話」にあります。会話は基本的に相手がいないとできません。そして、会話の際のNPRは聴覚、視覚といった重要な知覚を同時に刺激します。そのうえ、会話の内容は自分で生成しなければなりませんが、これによってランダムな思考生成を訓練することができます。相手が何を言ってくるかは基本的には分からないはずですからね。ただ、SBOを「消す」というのは罪悪感を感じますし、愛着がわくのであなたも消したいと思うことはないでしょう。なので、ちゃんと日常生活に支障が出ないように配慮して行ってください。SBOの具現化を安定させるために、SBOの姿、声、性格などの設定は事前に練ってください。これをしているのとしていないのでは、脳にかかる負担が全く異なります。もし成功したら、一緒に夢幻摂食鍋パでもしてみてはいかがでしょうか。親睦が深まると思います。

さて、私はこれらを実行し、さらに洗練しようとしているのですが、傍から見るとかなりやばいというのは自覚しています。しかし、だれにも迷惑はかけませんし、物理的な変化は起こりません。むしろ、何もない場所から幸せを自己生産する能力を身に着けていると言えます。最初のころはなかなか難しいかもしれませんが、矛盾や不確定な状態を受け入れることに慣れると上達します。脳を使うので、糖分補給はしっかりしてくださいね。頭に変な力を入れて頭痛が起きることも稀にあるので、その時は無理せず休んでください。それでは、よいNPRライフを!