一つの認識描像

物理の学部生にオススメの多様体の教科書はこれ!「多様体の基礎」

物理を勉強すると、多様体の知識や微分形式の扱いを知っておく必要が出てくることもあると思います。しかし、数学の専門書の中には抽象的な本が多く、物理人の我々からするとある程度直観的に理解することができる本が欲しいものです。そこで、以下の本をお勧めします。

多様体の基礎 (基礎数学) [ 松本幸夫 ] (楽天)
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この本は、多様体を学ぶ上で必要となる基本的な知識の準備が書かれており、図を多用しながらできるだけ直観的に理解できるよう工夫されていると感じました。もちろん読み進めていけば抽象的な議論も出てきますが、抽象度はだんだんと上がっていくので必要以上に難しく感じることもないと思います。

物理学科の講義で学ぶ物理数学程度の知識だと、なかなか数学の専門書に挑むのは難しいように感じるのですが、その原因の大部分を占めるのが「言葉の違い」だと思います。古典文が全く読めないのと同じ感覚で、単語を知ってある程度慣れておかないと理解できるものも理解できない可能性があります。この本は、準備の節で必要になる予備知識を与えてくれるので、「あれ、この言葉なんだっけな」と分からなくなったらすぐに戻って確認するなどして、だんだんと数学の言葉に慣れていくということもできます。

この本だけでも多様体の基礎概念を身に着けることが可能ですが、もし数学の知識をもっと身に着けたいと思っている方は、基礎的な「語彙」を身に着けるために以下の「数学の基礎」を読んでからにするのも良いと思います。

数学の基礎 集合・数・位相 (基礎数学) [ 斎藤正彦 ] (楽天)
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それでは、よき多様体ライフのスタートを!