突然ですが、ジンベイザメの口の中での生活を想像してください。・・・。どうですか?どうもこうもないですね。サメでなくとも他の生物の口の中には住みたくないものです。しかし今回、ジンベイザメの口の中で生きるような物好きな生物が発見されました。一体なぜそんな場所で生きているのでしょうか?
発見された”ヨコエビ”と、そこで生きる理由
その生物は、広島大学のKo Tomikawa教授によって発見されました。分類としては甲殻類のヨコエビ目の一種で、ジンベイザメの口の中を恰好の寝床としています。ヨコエビ目の生物は図太い生命力を持っていて、標高の高い山の上から深海まで様々な場所で生きる事ができます。教授はこの発見に驚いたようで、
「3~5センチ程度のこの生き物は多種多様な環境で生きていけるという点で素晴らしい生物です。しかし、ジンベイザメの口の中にまでいるなんて思いもよりませんでしたね。」
とコメントしています。
実は、あのミジンコもヨコエビ目の仲間です。
この生物は茶色い体を持っていて、食料としての有機化合物を集めるための毛深い足が生えています。こんな想定外な場所を選んだのには理由があるからだと教授は言います。
「ジンベイザメの口の中には、絶えず新鮮な海水が流れ込んできます。これによって、酸素と栄養分がいつも流れ込んでくるのです。そして、ジンベイザメの口の中にいれば、捕食者を怖がる必要はありません。」
生存競争の末にたどり着いたすみかだったのでしょうか。この地球にはまだまだ不思議な生物がたくさんいますね。
ちょこっと英単語:
whale shark ジンベイザメ 英語圏にはジンベイさんはいないからね
hairy 毛深い このヨコエビは自分の足の毛についたものを食べている