一つの認識描像

コーヒーはなぜ体にいい?腸とコーヒーの関係とは

皆さんはコーヒーをよく飲みますか?朝の仕事の前や、夜もう少し頑張りたいときなどにうってつけの飲み物ですね。実は、コーヒーには健康上のメリットがあるという証拠が多く出ていて、その研究は多岐にわたります。例えば、2型糖尿病やある種のがん、パーキンソン病までその発症リスクを軽減するという報告さえあります。では、なぜコーヒーは体に良いのでしょうか。今回は、コーヒーと健康の因果関係についての研究を紹介します。

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コーヒー。正しく摂取すれば、筋トレにも効果があるらしい。

コーヒーは腸内環境と関係していた!実験でわかった相関関係は?

今回の研究は、ベイラー医科大学のLi Jiao教授によるものです。教授は腸内細菌の環境(マイクロバイオーム)が人間の健康を左右することに注目し、コーヒーと腸内細菌の関係性を調べました。この研究では、大腸内視鏡検査中に、結腸から直接マイクロバイオームを採取するという初の試みが行われました。結果としては、一日に2杯以上、1年間コーヒーを飲んだ34人の被験者は、腸内の細菌環境がより良いものである事がわかりました。よくコーヒーを飲む人の腸には、より豊富な種類のバクテリアが均一に大腸に分布していて、肥満などとの相関があるErysipelatoclostridiumの数が少ないことが分かります。

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腸内細菌の一例。この画像は大腸菌のもの。

しかし、Jaio教授によると、どのようにしてコーヒーがマイクロバイオームに影響するのかははっきりとはわからないとのこと。ただ、可能性としては、カフェインや、その他コーヒーに含まれている栄養素が細菌の代謝に刺激を与えることが考えられるということだそうです。

これはコーヒーをよく飲む人にとっては良いニュースです。では、体質上コーヒーを飲めない人はどうすればよいのでしょうか。これに関して、the Physicians Committee for Responsible Medicine のHana Kahleova博士は次のように述べています。

「自然な状態の植物は、どれも繊維質やポリフェノール、抗酸化物質が豊富で、がんや肥満、心血管疾患に効果があります。」

つまりは、食物繊維の多い新鮮な野菜を取れば大丈夫だということです。コーヒーは健康上のメリットが多いですが、もちろんデメリットもあります。例えば、刺激物なので胃を痛めたり、睡眠の質を下げたりすることもあります。自分の体調を考えて上手にコーヒーを飲んで、より健康になりましょう。

 

 

ちょこっと英単語:

digestive 消化器 腸はgutと呼ばれたり、intestinesと呼ばれたりする
cardiovascular 心血管 生活習慣が悪いと大切な器官がダメージを受ける