一つの認識描像

魔術の本質とその応用

日本で雨乞いをすると、必ず雨が降りますよね?

それもそのはず。こんな温暖湿潤な気候を持つ日本で十分長い時間、例えば何十日とか雨乞いをしていれば雨は降ります。もちろん、雨乞いをしなくても雨は降ります。でも、一生懸命雨乞いしてた人たちは「自分たちの祈りが届いた!」と大喜びすることでしょう。これは、ただの勘違いです。はい、偶然雨が降っただけです。しかし、魔術の本質はここにあります。

魔術は、物理的変化を引き起こすことは不可能です。それこそ、火を生み出したり、水を操ったりなんてことはできません。憎い相手を毎日恨み続けても、何か起こるわけではありません。しかし、例えば恨み続けていた対象に何らかの不幸が偶然起こったとしたら、それは「自分の呪いが功を奏した」なんて思うかもしれません。つまり、魔術の本質は思い違いにあり、認識の問題なのです。

魔術は物理的変化を起こしません。しかし、自分のメンタルに少し変化を及ぼすことは可能です。つまり、「自分の認識を自分で少し歪めることによって、自分の精神に良い影響をもたらす」ということができます。例えば、怒りという感情があります。怒りは負の感情ですが、実は問題解決能力を高めてくれるという研究もあるそうです。ここで、自分が怒りの感情を抱いたときにその負の側面に着目するのではなく、良い部分に認識を変更してしまえば、自分の精神に良い変化をもたらすことができます。また、何らかの手の動きなどと、自分の精神状態(たとえば、一点に収束するような手の動きと、集中状態)を結びつけることで、一時的に良い効果を自身に付与することができます。

ここら辺の話は完全に個人の認識の問題になるので、自分で魔術の体系を作り上げて、それによって認識を変更することにより、人生をよりよくできたらうれしいですね。