群の指数2の部分群というのは、が二つの元からなるということです。例えば、元 が定める同値類はです。2つの同値類は、そのうちの一つの元だけでも共通で持っていれば完全に同一で、つまり異なるなら共有される元はありません。なので、指数が2であるという条件から、うまくを選べばと書くことが出来ます。一方は代表元として単位元をとれるもので、もう一方はそれと異なる同値類を与えるによるものです。
さて、ここからが正規部分群になることを見ましょう。つまり、が任意のに対して言えることを示します。任意のは、直和分解になっているまたはのいずれかに属していることになりますので、それぞれの場合を見てみましょう。
のとき:このときは、となります。は部分群なので演算で閉じているからです。逆のも成り立つので、結局となります。
のとき:このとき、 です。この条件を用いて、任意のに対してとなることを示します。そのために、逆を仮定して矛盾を導きましょう。仮にとすると、となります。この時、最初の2元の積は上の条件からに属するので、の前半はに属します。さらに、全体の積もに属するので、が分かります。は部分群で逆元を持っているので、が分かりますが、これは であることに矛盾します。なので、が分かります。ここから、となります。
全体の流れをおさらいしておきましょう。とにかく指数が2なので、群は二つの交わらない部分に分けることが出来ます。よって、任意のはそのどちらかに属していることになり、どちらの場合を考えてもが結論できるということです。
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